「言えなかった……」

愛恩の方から避けているのと、用事があってなかなか会えなかったことで一回も話せなかった。
作戦中、また仲良くなれたと思ったのに……一日で変わってしまう。

「昨日と今日が同じようになるとは限らないね……」

鏡に映る自分は暗い顔をしていた。


「紫邦さん、愛恩がどこにいるか知ってる?」

「知らないわ……ごめんなさい、討伐に行かないと……」

人が減って、皆が討伐に行く回数も増えてきた。私は温存されている様で、討伐には行っていない。

「そうだ、美理矢君との約束……準備しないと」

もし空操禁書が侵入していても私だと気付かれないように変装しろと言われていた。美理矢君は気付いてくれるかな?
愛恩は……その場にいたんだった。積極的に服や化粧を持ってきていた。でも、話すことは無かった。