「私だって、普通の女の子なのに」

周りに誰もいないことを確認してそう言った。白旗を持ってるだけで、私の行動で人類の運命が変わるなんて……

「ちょっと他と違うだけで……たまには普通に過ごしたいな」

私を見る目が変わったのは少し寂しかった。今日ガラッと変わってしまった。愛恩は
私を特別扱いし始めた。

「分かるよ、その気持ち」

「えっ!?」

美理矢君がすぐ隣にいた。ドキドキして、顔が熱くなる。

「幼い時から天才って言われて、普通に接してくれる人は少なかった」

そんなことがあったんだ……

「でも、特別扱いしない人もいる。思っていることを伝えたら分かってくれる人はいる」

思っていることを伝える……そっか。愛恩と話しあおう。まだ諦めちゃ駄目だよね。

「ありがとう!」

「えっ?ああ、どういたしまして」

早速愛恩に言いに行こう。そう思って立ち上がった。

「あのさ……明日、図書室に行くんだけど……用事ある?」

「無いよ」

「来てくれないかな、午後二時に」

美理矢君から……もちろん断らない。

「いいよ!ちょうど調べたいことがあったし!」

嬉しくて声が大きくなった。私は走って愛恩のところへ向かう。大丈夫、今の自分なら何とかなる!