それは、白い羽のキーホルダー。

「あっ、かわいー!」


それはただの白い羽じゃなくて、一部分が星の形に染まっている。


その星の色も、ピンクとか水色とか何種類もあった。


「蓮! 正弘! ねえ見て、これどう?」


正弘くんが、そのキーホルダーを手にとってくるくる回しながらじっくり見ている。


「星のマークだし、正弘くんたちも恥ずかしくはないと思うんだけど……」


「うん。俺はこれでいいよ」

「俺も」


全員の意見がそろって、すぐにこれを買うことが決まった。








「ねえ、これどこにつける?」

みんなのお金を預かってレジまで四人分を買いに行ってくれた百合が戻ってきた。


「普通にスクバとか?」


そう言って自分のスクバを思い出すと、キーホルダー1つついていない地味な鞄が浮かんだ。

とてもじゃないけど……女子の鞄には見えない。


このキーホルダーを鞄につけると、たったそれだけで見違えるほどかわいくなると思う。


私は、星の部分がピンク色になっている。

百合が黄色で、蓮くんは水色、正弘くんは黄緑色。


みんなのイメージに合わせて選んだんだよ。


最近はいろいろあって正直ちょっと疲れてたけど、いい息抜きになった。


そう。



私たちは、このぐらいの距離が一番なんだよ――……