二人の体を抜けていく風の音が騒がしかったが,それでも聴こうと独立神に体を近づけていようとした.

「どちらの軍も魔法だけではなく,技術や知恵を発展させていった.

 光軍団は人間の研究をし,代わりの人間を作ることに成功した.

 そう,お前の代わりのことだ.

 これで離反したとても,代わりがいてるから,全体には変わりがないというわけだ.

 闇軍団はサルベージュ(※)といった太古の魔法の力を借りようとした.
★サルベージュ:史上最強の細胞魔法.このサルベージュによって,ハヤメチャンは滅びてしまったと言われている.サルベージュが放たれたあと10年は影響が残るという.

 これは失敗に終わった.

 その代わりにこの星に住んでいる人間を利用する事を思いついた.

 互いに対立しているフリティカルとアーメルスの王になって,和解を結び,そして闇軍団の力にしたのだ.

 アーメルスの魔法兵が死んだようになっているのは氷神の魔力に他ならない.

 フリティカルがマホウビト(※)弾圧政策を王が代わっても続けていたのは,前王を殺した毒神が水神がこの地に誕生していて光軍団が水神を探しているのを知っていたからなのだ.
★マホウビト:魔法を使うことが出来る人が元の意味.ここではその疑いのある人までを含める差別的表現

 もっとも,フリティカルの方は内部まで意志が統制されていないようであったが.

 そして私は全てを無にする役目.

 もう強襲は始まっている.

 もうする両軍団ともに滅びるのだ.

 この星は彼らの領土ではないのだ.

 もう,彼らのお遊びにつき合う時代は終わったのだ.

 私も滅びる.

 無になるのだ.

 だが,お前は遊ぶのをやめた.

 それでいいのだ.

 もうこういうことが無くなるように伝えてほしいのだ.

 無になるために強襲の地に行く.

 お前はその有様を伝えるのだ.

 時代は変わる.

 しかしそのことに気づかない者も多いものだ.

 この星に生きる人は時代が変わった事を知らないといけない.

 よろしく頼む.」