「みさっきー、ママって欲しい?」

「えっ?」


由美先生の急な発言に正直、びっくりした。


私が小さい時にパパとママが離婚した。


ママがどういう顔か知らない。

ママがどんな人か知らない。

もちろんママは欲しい。

ずっとパパと暮らしてきた私には『ママ』という存在はとても大きく感じる。


「ママは欲しいですよ…」

私は深呼吸して言った。


「私がママだったら…イヤ?」

由美先生が不安そうに聞いてきた。


「イヤじゃないですよ!?イヤじゃないけど…でも、えっと…。なぜ私にそんな質問を…」

私が戸惑いながら言った。


由美先生が語り出した。


「みさっきーが入院していた時、みさっきーのパパにあったでしょ?
それで…私、一目惚れしちゃって…
みさっきーのお父さんも私と同じ感情を抱いたみたいで、
それから、付き合い始めて『結婚しよう。』って流れになったんだけど…
やっぱり『みさっきーの気持ちが大事かな』っていう話になってね…」


私は薄々、パパが誰かと付き合ってるのは気づいていたけど
まさか、由美先生と付き合っていたなんて、思いもしなかった。


「私は、由美先生がママになってくれたらとっても嬉しいよ!

パパと由美先生…いやママと私とで素敵な家庭を築いていこうね!」


「みさっきー、ありがとね…」

由美先生が涙目で言ってきた。