「ダ~メ。」


壱吾と名乗る男は、そう言うと私の唇に自分の唇を重ねてきた。


私の心臓は、ドキンドキンと激しく鳴りだしているに違いない……


魔法ってキスの事なの?


壱吾と唇を合わせていると、
ストロベリーのような甘い香りが伝わってきた。


どんどん、頭の中が真っ白になっていくのと同時に、


私の記憶は、そこで途絶えてしまった。


〈第2話、完〉