やっぱり俺のお気に入り

今まで何度かかけても繋がることのなかった携帯。



きっと・・・・・留守電・・・・・か。



また同じ。その繰り返し。



「・・・・・」



こうなってくるとため息すら出てこない。



携帯を閉じて、諦めようとした瞬間、



俺の携帯の着うたが鳴った。



「はい・・・」



「もしもしっ・・・龍斗？」



「あぁ・・・未来？」



懐かしささえ覚えるような愛しい声が胸に響く。



「ずっと連絡出来なくてゴメンね・・・」



「今、電話は大丈夫なの？」



「うん。今日は久しぶりに午後は仕事がないんだ」



「そっかっ・・・忙しそうだな？元気か？」



「なんとかね・・・でも思っていた以上に大変で・・・かなり疲れてる・・・」



未来の声のトーンもなんとなく暗い。



せっかくの会話。



会えない時間を埋めたいのに声を聞いてもその距離は同じなのか。



「大丈夫かよ？学校もそろそろ来ないとヤバイだろ？」



今の俺達が会える唯一の場所。



それが学校だから。