10歩。進んだ所でもう、入り口が見えない。暗い。

これが、‘悪魔の棲む森’なのね。きっとここに、お父様の本。お母様の鍵があるはず。私は、真っ直ぐ歩いて行った。途中で胸が苦しくなる。
「はぁはぁはぁ。大丈夫。私は、闇に染まらない。」

すると、どこからか声が聞こえてきた。

「私は、闇に染まらない。いい言葉じゃねーか。流石。夢魔狩り一族の子供。言う事が違うな。って、俺もか。アハハハ!」

「えっ?なんでここにいるの?しかも、さっきの言葉。どういう意味?
……ジル。」

「そのまんまの意味。俺夢魔狩りなんかじゃねーし。俺分家の子でもねーよ。俺は、悪魔のグレイ。とりあえず、悪魔の王やってる。」

「悪魔の、王。ジル。お願い。嘘だって言って!本当なら、、、貴方を封印します。」

「封印ねー。まだ早いんじゃねーの。後半年あるぜ。俺は、半年経たないと力を戻せない。だから、俺は、大人しく封印されるが、また封印が弱まるぜ。それでもいいのかよ。」

「あっ。分かったわ。半年。大晦日。もう一回。ここに来る。その時貴方を、、、封印します。覚悟はいい?ジル。いいえ。グレイ。」

「あぁいいぜ。俺は、大人しくここで力を蓄えるとするよ。じゃあな。さっさと帰れ。」

「言われなくても帰るわよ。」