君に奇跡が起きますように



立てた両膝に顔をうずめる小鳥遊。

明らかに様子が変だった。


「どこ、行くの?」


「どこって……ただ着替えようと思っただけだよ」


「……そう」


あまりにもあさっさりと小鳥遊の指はあたしの腕から離れて行く。

「たか、なし……?」
「ごめん、なんでもない。忘れて」


へらり、と笑って見せる小鳥遊。

しかしその笑顔は、風船がしぼむように少しずつ暗くなって行く。


あたしはそんな小鳥遊にスッと手を差し出した。