「私のせいで……」

「いやいや、そうちゃうで。アイツはアイツなりにけじめっていうか、アイツの目的もちゃんとあって。詳しくは言えんけど、ハナちゃんのせいちゃうから」

必死でかばってくれる怜次先輩に好感を持った。

優しい人。

「怜次先輩がいてくれて良かった。私、マナ先輩のこと何もわからなくて、連絡も取れないから、様子がわかって嬉しい」

「せやな。マナトも、会いたいと思うねんけど…… もう学校辞めるとか言い出すし」

「えっ!本当に辞めちゃうんですか」

「それは俺が絶対止めるから安心して。高校もあと少しやし、最後にええ思い出作りたいしな。それに高校退学ってなると将来的にも大変やぞって」


怜次先輩を見ていると、この人がいれば大丈夫だって思えた。

こんなに優しい友達がいたんだね、マナ先輩。


「俺に内緒にしろって言って話してくれたんやけど、ハナちゃん迫田からセクハラされとったんやんな?」

私は、コクンと頷いた。


「マナトがあんな事件起こしたの俺のせいかもしれん。俺が余計なこと言ってん」

ふーっと深いため息をついてから、私を見た怜次先輩。