「ちょっと、ハナちゃん。職員室行こう!」
手を引っ張られて、廊下を走った。
嘘だ。
絶対何かある。
「桃香、ありがと」
「神野先輩のこと信じよう」
隣のクラスの男子が言った、『退学になるんじゃねぇ~』って声は私も桃香も聞いていた。
退学になんてならないもん。
マナ先輩に会いたい。
「失礼しますっ!!」
職員室に勢いよく入ると、数人の先生に囲まれたマナ先輩が見えた。
その横にいたのは、迫田だった。
足を組みながら、偉そうな態度でマナ先輩を見ている。
体育の先生が、マナ先輩の横で事情を聞いている。
噂を聞いた生徒たちが数人、職員室を覗いていた。