「どん底って感じの顔もしてないから、明日からまた頑張れるだろ」
「・・・・・・はい。頑張ります」
「笑え、笑え!笑ってる方がいいよ」
バシっと私の背中に手を当てて、ニカっと笑ってくれた。
今の私にとって、この人が救世主。
「話、聞いて欲しいなら聞くけど、ひとりになりたいなら帰るし。どっち?」
鞄を肩にかけたその人は、わざとらしくぶっきらぼうにそう言った。
「3年生ですか?」
「俺の質問、聞いてた?」
「あ、すいません。あの、どこかで会ったことあるような気がして」
少し眺めの茶色い髪を耳にかけて、首を傾ける。
「3年の、神野真翔だけど?」
「え!!神野先輩でしたか!!すいません、私」
神野真翔【ジンノマナト】
と言ったら、知らない人はいない我が校の有名人。
カリスマ的存在の3年生で、1年の間でもファンがたくさんいる。
神野先輩のすごいところは、後輩の男子生徒からも物凄い支持されているところ。
私は、男の人に興味がないこともあって、あまり詳しく知らないけど、名前は知ってる。
顔も、友達から見せられた写真で見たことはある。


