ただただ君が好きでした


「あれ?お前らまでどうした?今日の俺、人気者だな」

迫田は、きっとカノンの気持ちに気付いてる。

それなのに、全然気付かないフリをしている。


「先輩が、先生遅いから見てきてって言うから」

気まずそうな顔をしたふたりが、私の横に立つ。

「ああ、悪い悪い!ハナも呼びに来てくれたのに。3年生は、1年を使いすぎだな」

「迫田先生、すぐ来てください」

ふたりはキツイ口調でそう言うと、廊下を走って行った。

「何、怒ってんだろうな。まぁいいか。じゃあ、ハナは俺と一緒に行こうか」

「そういうのやめてもらっていいですか?誤解する人もいるんで」

「何?誤解って。俺とハナが付き合ってるとかそういう誤解?」

「もういいです!先に行きます」


走って廊下の角を曲がった時に、マナ先輩達とすれ違った。

きっと先輩は気付いていないと思うけど、私には見えた。

マナ先輩と、3年生の先輩数人が廊下でバスケットボール投げながら歩いてた。


嫌な出来事があったから、神様がプレゼントをくれたのかな。

迫田のことは最悪だったけど、マナ先輩に会えたことで、笑顔になれるね。