ただただ君が好きでした


「山城先輩が卒業したら、私何を支えに生きていけばいいんだろう」

桃香は切ない表情をして、窓の外を見つめた。

恋って素敵だな、と思った。

「ん~、私でいいんじゃない?」

「はぁぁ?ハナちゃん?」

「そうそう」

「あはははは」

なんだろ、この感じ。

高校に入って初めて、心から笑った気がした。

この子、好きかも。
ただのクラスメートじゃなく、一歩踏み込んだ関係になれるかもしれない。

テニス部のせいで、妙に慎重になってしまったんだよね、私。

「ハナちゃん、テニス部楽しい?」

宿題の古文の訳をうつしながら、桃香と私はふたりで話していた。

いつもは4人でいるから、ちょっと新鮮だった。

「テニス部・・・・・・まあまあかな」

「お父さんが部活やれってうるさくてさ。テニス部見学行ってみよっかな」

一気に汗が出てきて、目の前が白くかすむ。

それはダメだ。

せっかく仲良くなれた桃香に、私がみんなからいじめられてるってバレちゃう。