「私、迫田のこと、先生としか思ってない」
絞り出した声は、みんなに届いたのだろうか。
誰も何も答えずに、練習を続けた。
私のことは見えていない。
みんな、楽しそうにいろんな話をしながら練習をしていて、私の居場所はここにはなかった。
テニスが好きってわけじゃない。
同じ中学の友達が誰もいないこの高校に来て、正直まだ全然楽しくなくて。
だから、部活で仲間が欲しかった。
中学で少しやってたテニス部に入っただけ。
別に、こんな部活すぐに辞めてやる。
でも・・・・・・悔しいじゃん。
まだ、みんな私のこと知らない。
本当の私を知って欲しい。
きっと、この中の誰かと仲良くなれる。
みんな、流されてるだけ。
強い者にくっついてたら楽だもん。安心だし。
だから、ここにいる全員が私を嫌ってるとは思わない。


