「戻りました」
勇気を出して、テニスコートに戻ると、3年の先輩は集まって休憩をしていた。
1年は、円になり素振りをしていた。
「崎山さん、やる気ないなら辞めていいから」
副部長はそう言って、私をにらんだ。
他の先輩達は私に無関心という感じで、視線も向けてくれなかった。
私は、怖くて怖くて仕方がなかったけど、1年の輪の中に入っていった。
「さっきはごめん」
そう言うと、8人いる部員の全員が私を無視した。
ラケットを持つ手が震える。
こんな経験は、今まで生きてきて一度もない。
人に無視されるってこんなにも怖いんだ。
軽い気持ちでしているのかもしれないけど、された方の恐怖は一生心の傷になる。
自分がいないんじゃないかと思えてくる。
みんなに見えてないんじゃないかって。


