ただただ君が好きでした


「俺さ、昔から洋楽が好きだったんだけど、ずっと好きだった歌の歌詞の意味を知らなくてさ。中学になって英語の意味を調べたんだ。そしたら、俺が思ってたのと全然違ったんだよ。日本語の歌だったら、歌詞の意味わかるからそういう気持ちで聴いちゃうけど、洋楽はわからないからその時の自分の気持ちと連動するっていうか」

丁寧に話してくれるマナ先輩の横顔を見つめた。

やっぱり、年上なんだなって思ったのは、うっすら見えたひげ。
高校1年の男子はまだヒゲって感じじゃない。

「私達の気持ちがそのまま曲に入っていくってことですね」

「そうそう。俺が好きだった歌はすごく前向きな歌詞だった。でも、俺はその曲を聴いてて、寂しくてどうしようもない気持ちになった。今でもその曲は俺にとっては、そのままでさ。だから、洋楽って面白い」

「マナ先輩は、寂しかったんですか。ずっと」

「はは、そんなことはないんだけど。そういう時もあったかな」


いろいろ聞きたいことはあったけど、そこまで踏み込むことはできなかった。

まだ会ったその日だし、しつこく聞いて嫌われたくなかった。


もしも、なれるならマナ先輩が言ってた “オハナ” っていう存在になりたい。


もし何か悩みを抱えているなら、私に話して欲しいって。

思った。


会ったばかりの人にこんなこと思うなんて、自分でも信じられないけど・・・・・・

助けたいって思った。


どこか似てる私とマナ先輩。

あつかましいってわかってるけど、似てるって思ったんだ。