ここは…?

目覚めたのは陽が照る午前10時。

真っ白とは言えないけれど、何もかもが皆無。

ここはどこ…?元の世界とはまるで違うみたいで…。

「違いますよ。」

そう、後ろからあの女の声が聞こえてきた。

「そんなにビックリしなくたっていいじゃないですか、私は貴方のピエロなんですから、ね?」

ニッコリ微笑んでいるのに、私には本当に笑っているのかはわからない。

「ここは、どこ。」

「あなたが望んだ世界です。」

私、が…___?

そんなわけ…ないでしょ。

「確かに私は望んだ。だけど、…だけどこんなとこ知らないよ。いっとくけど、私はアンタの指図なんて受けないからね?」

睨むように、挑発的に相手を見る。

「別にいいんですよ?あなたをこの世界から消したって。でも、あの、元の世界には戻れないんです…、何故だがわかりますか?」

何故、って言われても。

よくわかんないよ。そんなの。

「わかんないけど…。」

「わからないならいいです。」

と、いつも通りお構いなく進める。

「ねぇ、これだけ教えて。…私があっちの世界に戻れないってどういうこと?」

「あの世界に、あなたはもういないのです。」

え…?

い、いない…?

まさか…。 まさか、ね。

そんな筈ない…。

ニタリと笑う悪魔は一歩も揺らぐことはなかった。