ナミルでの生活は今までの生活とは全く違うものであった。
友達はみんな優しかった。
皆が皆明るく、楽しそうに生活していた。
しかし、少しナミルから出た間に怪我をおって帰ってくる子もいた。
ナミルは多くの個性が入り交じっている、とても楽しい場所であった。

ナミルで生活をする子供たちには共通点があった。
皆、瞳に映る明るさの奥には必ず暗闇の色が蠢いているということだ。
暗闇を持っているからこそ、優しさを持っているのだとアルナは思った。



ナミルを設立したのはマミリ・カッサという黒髪の女性だそうだ。
マミリはユラの娘である。
黒という色はラウンでは差別を受けたらしい。
もう自分のような人間を出したくないという思いでナミルを作ったらしい。
しかし、ナミルを作ってから三年がたったある日、マミリは突然姿を消した。
それはもう突然だった。
ユラが探して欲しいといっても黒髪というキーワードですぐに拒否されてしまう。
自分で探しにいくような力はユラにはない。
結局は、ナミルに帰ってくるのを待つしかなかった。

アルナ達は、マミリの話と共に黒髪の女性が居たら私に知らせてとユラから言われていただった。
アルナは差別とはとても大きな力を持っていると思った。
人を誰かに忘れ去られたような雰囲気がある場所に何人もの人が暮らせるような場所を建ててしまうんだから。
そして、ナミルに居る人達はほぼの人が差別を受け、傷をおい続けてきたのだ。
もし、自分が普通に生まれてきて、他の人が白髪で周りが暴力を振っている。
このような状況で自分は止めには入れるかと考えるととても恐ろしかった。