走り続けて辿り着いた場所は、今まで来たこともない場所だった。
無我夢中で走り続けたためか、帰り道もわからない。
何より、体力がもうない。
かさぶたとなっていたところもめくれて、血が出ている。
森の奥深く、何処かもわからない場所。
もう命の光が少ないことは見ればすぐわかるようであった。
(いっそのこと死んでしまいたい…)

アルナは樹木の幹に背を預け、呆然としていた。
白く長いアルナの髪は茶色と緑に支配された森の中でも目立っていた。

今は夜中の11時頃だろうか、辺りは暗闇に包まれていた。
アルナは瞼を閉じ、眠りについた。


アルナが次に目を覚ました場所は先程の森ではなく、知らない家の中だった。