有馬くんは、少し吹き出して答えた。

「ポーズとったり、静止したりしなくていいよ。これがあるから。」

有馬くんは、学生鞄から大事そうに古い一眼レフカメラを取り出した。

「これで、君の一番いいシーンを納めて、俺が絵を描くよ。だから、菱川さんはそのままでいいよ。」

なるほど!そんなことなら私にでもできそうだ。