「あ、でも私…ファーストキスじゃないよ?」

「え!!佑麻ちゃん、初めてじゃなかったんだ!」



うん、だって私


「小さい頃、お兄ちゃんが私のこと可愛がりすぎてしょっちゅうチュッチュされてたみたいでね?だから…」


「佑麻ちゃん…それはカウントしないんじゃないかな?」


茉央ちゃんの呆れ顔に、内心ヒヤリとしながら目をパチクリさせるけど、


じ、じゃあ私のファーストキスの相手は…お兄ちゃんじゃなくて…みみみ南くん!!?


ひぃぃいい〜〜〜〜!!


「あ、でも…もし南くんにキスの話されたらそれ、使えるかもしれないよ。」


「と、言いますと?」


何やら悪巧みする茉央ちゃんが、私の耳元でコソコソと話し始める。


「南くんが初めてじゃないから、気にしないで。って、南くんに言うの。絶対 効果があると思う!」


「……?…そんな事でいいの?」

「案外、南くんには”そんな事”じゃないかもしれないよ!」


茉央ちゃんは楽しそうに笑うけど、私にはイマイチ分からない。

でも、ここは茉央ちゃんを信じてみよう。どんな効果があるのかな…?