「そろそろフィナーレかな?」


やむことを知らずに打ち上げられる花火を見上げて、


つい、寂しさに襲われる。


「だな。」


「そう言えばこの前のクラス会で嶋中くんがね?夏休みにみんなで花火しようって!

嶋中くんの家の前に川が流れてるみたいで、それで嶋中く「佑麻。」


ふいに名前を呼ばれて、

石段に座っていたはずの南くんの気配をすぐ側で感じ振り返れば


ーーーっっ!!!


何かが唇に触れる感触…

そして、すぐに離れていく。


「え…」


すぐ近くには南くんの整った顔があって、キスされたんだと気付くまで時間がかかった。


「嶋中、嶋中うるさいんだけど。少し黙ってろ。」




「〜〜っ///」




な、なななな、何??!!

あまりの、出来事に何も言うことが出来ずただ南くんを見つめる。


な、なんでこんなことになったんだろう??

南くんにキスされたよね??

夢?全部夢?…あー、ダメだ、鼻血でそう。




どんな気持ちでキスをしたの?とか、これは夢じゃないよね?とか…いっぱい聞きたいことはあるのに、私は金魚のようにただ口をパクパクしている。


1つ言えるのは……私にとって間違いなく最高の夏になった、ってこと。