「あ、佑麻ちゃん!ちょっと…」

「宮坂くん?…どうしたの?」


帰りのHR開始前の10分休み、トイレへ行こうとしていた私は宮坂くんに呼び止められて廊下で立ち尽くす。


「あのさ…その、祭りの時…2人にして欲しいんだよね。茉央ちゃんと。」


宮坂くんは言いにくそうに、少しだけ頬を染めている。


なーんだ、そんなことか!と安心した私は任せて!と笑って見せる。


「ほんと?サンキュー佑麻ちゃん!…その代わり、瀬那を祭りに誘う方法 教えてあげる」

「…?南くんを、祭りに誘う方法?」


首を傾げた私に、宮坂くんはコソコソッと方法を話し始めた。

宮坂くん曰く、”最近の瀬那を見てる限りだとかなり有力だと思うよ?”って。


「…本当に上手くいくかな?」

「絶対、大丈夫!とりあえず騙されたと思って試してみて。」


そう告げるなり、早々に教室へと戻っていく宮坂くん。

試してみるしか…ないか。