結局、体育祭は総合3位。

んー、何とも微妙な順位だ。
せめて準優勝!!とか…優勝って言葉が欲しかったなぁ。(熱中症のため、ほぼ参加していません。)



「ね、南くん!勝ちたかったね!」


隣で珍しく私の歩幅に合わせて歩いてくれている南くんに問いかければ


「別に。勝ち負けに興味ない。」


おぉ〜〜!!どこまでもクール!もうなんか、発する言葉がかっこいい!


「あ!!そう言えば南くん、障害物競走の時……お題何だったの?、」


そう、実はずっと気になっていた。


可愛い後輩の手を引いて走る南くんが今でもハッキリ脳裏に焼き付いて離れない。


「…何?気になってたわけ?」


そりゃ、気にするなと言われる方が無理でしょ、あのシチュエーション。


激しく落ち込みすぎて泣きそうだったし。

コクコク頷く私に、フッと笑った後

「…好きな人。」


南くんは、平然と答えた。


「えっ!?」

「だから、お題。好きな人だった。」


う、嘘だ。

じゃあ、南くんの好きな人って…あの可愛い後輩の女の子…?


漫画の世界ならば、顔面に青筋を数本と、頭上にはフォントサイズ780くらいで【ガーン!!】の文字でも書きたい。


「……そ、っか。」


人は、本当にショックな時、思ったよりも言葉が出てこないもんなんだな〜。

いや、分かってたんだよ。

南くんが私のことはこれっぽっちも好きじゃないってことは。


でも、南くんに好きな人さえ存在しなければ、ゆっくりでも南くんに好きになってもらえるように頑張ろうって…


思ってたのに。