「佑麻ちゃん!相手はあの、相原 ユリアだよ!!」


「…相原ユリア?誰、それ。」


「狙った男は百発百中で落とすって言われてる1年生!!早く南くん奪い返しに行きなよ!」


「百発百中…そ、それって…やばいじゃん!」


何それ、そんなことできる女の子がこの世に存在していたなんて!!


いつも南くんは、どんなに可愛い子に告白されたって”ごめん”の三文字でスパッと振ってしまう。


だから、自分だって相手にされてない分際で南くんは誰とも付き合わないと変な自信さえ抱いていた。



「わ、私ちょっと行ってくる!!!」


勢いよく、今来た道を戻って突き当たりを、曲がればトイレの前。


その奥に、文化祭準備の時に南くんと一緒にペンキの空き缶を運んだ空き教室。



恐る恐る近づけば、話し声が聞こえる。