もう避けないと誓った私に、南くんは満足げに笑う。

なんか、南くん…やけに笑うじゃん。何これ、悔しいくらいにキュンキュンする。

「南くんがお兄ちゃん…かぁ。」

「見えないって言いたいわけ?」


いや、南くんをお兄ちゃんに持てるって、それはそれで羨ましいって言うか…


「んー、南くんはお兄ちゃんがいそうなイメージだった。それで、そのお兄ちゃんも絶対カッコいいの!」


1人妄想の世界に入る私…


「…兄貴もいるよ。」


「え!!?見たい!!」


南くんのお兄ちゃん!会ってみたい!絶対絶対絶対かっこいい!!

想像上だけでもこんなにかっこいいんだから、実物はどれほどのものだろう。

南くんと2人並んだらヨダレでそう。


「絶対見せない。」

「っんな、ケチ〜!!」


ちょっとくらい良いじゃん!妹ちゃんもあんなに可愛いから絶対 美男に違いない。どんだけ美形な家系なんだ。


私ももう少し美形な家系に生まれたかったよおぉお!!(あ…パパ、ママ大好きだからね。)


「ふっ、お前…似てるんだよな。妹が、飼ってるトイプードルに。」

「え?…ト、トイプードル…複雑。ちなみにど、どこが?」


せめて妹に似てて欲しかった。

ペットね!ペットの方ね!

だと思ったよ、私があんな可愛い妹に似てるわけなかったよ!