ポタッ血が教室の床に落ちる─────── いや、落ちなかった。 なぜなら目の前に立った男の子が私の 左手首ごと押さえてしまったから。 「…え?え?」 誰? 私の目の前にはいつからいたのか 眠たそうな目をこすりながら 私の左手首を持って立つ世間でいういわゆるイケメンって人がいた。 「お前、どしたの?こんな事して。 苦しいなら苦しいって。言えよ。」