気づいたら街中に私はいた。

神様は私を見捨てないでいてくれた。

運は良かった。

寮の前に私はいて、倒れた記憶まではある。

そして、今は病院ではないベッドの上に横たわっていた。

え?なぜ病院ではないかわかったかって?

それは、天井は茶色。薬の匂いがしない。からかしら。

横には、女の人が椅子に腰かけていた。

「大丈夫?」

「ええ。平気です。」

「あなた訳ありなんじゃなくて?」

「え?どうしてそれを?」

「なんとなくよ。話してくださる?」

私は頷いた。

そして、話を始めた。

女の人は相づちを打ちながら聞いてくれた。

「ここで住みなさい。あてはないのでしょう?」

「え?いいんですか?ご迷惑じゃ。」

「そんなこと気にしなくていいのよ。あなたの部屋へ案内するわ。私は日暮愛奈(ひぐらしまな)よ。ここの委員長なの。よろしくね。」

「よろしくお願いします。」