「あっ! かなちゃん?!」 ベランダでしゃべっていたうちの一人が、教室にいたあたしに気づいた。 その声で、グランドを見ていたみんなが一斉に振り返った。 みんなからの視線を一気に浴びた。 さっきの話の内容の手前、今みんなをあまり見たくなかった。 それに、盗み聞きしていたと思われるのもイヤだった。 「えっと…あの………」 荷物を取りに来ただけだって言えばいいのに、なかなか言葉が見つからない。