この恋、賞味期限切れ



少しむくれて、ふっ、と噴き出す。

この軽薄さが、悶々と考えすぎていた頭には、いいクスリだった。



《気が向いたらね》



舜ちゃんと久しぶりにメッセージを送り合った。

あっかんべーとおちょくる絵文字も付けてやろう。


ありがとね、舜ちゃん。
ちょっと楽になったよ。


もっと落ち着こう。ネガティブ思考になりすぎはいけない。真っ直ぐ向き合った分、伝わるはず。


かわいいって言ってくれなくてもいい。

ただ目が合って、前みたいに笑えたら、それだけで。


南は優しさゆえに、私のことを思って声をかけられずにいるだろうから、私から声をかけないと。



あのとき。

席替えをした、夏休み前の最後の登校日。

南は何を言おうとしたんだろう。


せっかく南から声をかけてくれたけれど、南は何も言わなかった。ううん、言えなかったんだ。


あのときの言葉を、今夜、聞けたらいいな。