今の今まで日直のこと忘れてたなんて……。
申し訳ない。
晴ちゃんが助けてくれただけでなく、そもそも日直の仕事をする機会が少なかった。
授業の号令は学級委員がしているし、今日は移動教室が多かったうえに、授業の最後で先生が消すことが多かった。
だからよけいに気づけなかったのかもしれない。
私は座って、日誌を広げる。
たったひとりの教室の隅っこ。
夕暮れの光に照らされた日誌に、今日の出来事を記していった。
――ガラッ!
「あれ? まだ残ってたんだ」
「南!」
教室に入ってきたのは、南だった。
やけに息苦しそうにしている。
なんで南が……!?
あ、そういえばサッカー部……って、辞めたんだったよね。それならどうして、まだ学校に残っているんだろう。
「松井、日直だったっけ?」
「あ、う、うん……。日直だったことにさっき気づいて、急いで日誌を書いてるところ。南はどうしたの?」
「俺は忘れ物。学校出てから気づいてさ、ダッシュで来たんだ」
なるほど。だから息が荒いのか。
南は自分の机の中からノートを取り出し、ほっとする。



