この恋、賞味期限切れ







午後の授業はきちんと集中しようと思ったんだけどなあ。

だめでした。とほほ。


集中力が散乱し、まともに授業内容を理解できないまま、放課後になってしまった。


この席は大好きだし、変わりたくないけど……甘い蜜がいつか毒になりそうで、ちょっと不安。



「おい、松井」

「はい?」



帰り支度をしていると、担任の先生が私の席に寄り、何かを差し出した。


……何これ。



「えっと……?」

「これ、忘れてただろ」

「???」



先生の手にあるのは、日誌だ。

日直の仕事のうちのひとつ。


それをどうして私に?


頭上にハテナマークを浮かべれば、先生は大げさなくらいため息をついた。

重い! ため息がめっちゃ重たい!



「松井、今日の日直だろ」

「……? ……あっっ!!」



そうだ! 私、日直だった!

テストと南に気を取られすぎて、すっかり忘れてた!!


うぅ、しまった……。やっちゃった……。


放課後になるまで指摘されもしなかったということは、優しいメシア様が代わりに黒板を消してくれたり、私が気づくのを先生が待っていたりしたんだろう。



「はい、これ」

「……すみません」

「日誌以外の仕事は、幸村がやってくれていたぞ。ちゃんと感謝伝えとけ?」

「晴ちゃんんんん! はい! 伝えます! 全力で!」



優しいメシア様は、晴ちゃんでしたか……!
ありがとう! ありがとう!!


帰り支度をやめ、先生から日誌を受け取った。