この恋、賞味期限切れ




20分後、掃除が終わった。

私たちは国語の先生に報告しに行くと、「もう二度とこのようなことがないように」と厳しく注意され、ようやく下校できることに。




「アイス、アイス〜♪」



子どもみたいにはしゃいでる南に、今朝の爽やかさはかけらもない。


南はのんきだなあ。

たぶん、ぜったい、デートだって思ってない。


私の心臓はドックンドックンうるさい。

南みたいにリラックスできない。

これがデートかもしれないと考えただけで、緊張して落ち着かない。


並んで歩く帰り道。
隣の席でいるときよりも数センチ近い。


手が触れそう……!

意識しすぎてどうにかなっちゃうよ……!


横目に、夕日に染まるきれいな横顔が見え、耳たぶが赤らんでいくのがわかった。

すごく顔が熱い。今すぐにアイスを食べて冷ましたい。


会話を楽しむことさえもできない私とは裏腹に、南はさっきからアイスのワゴンショップに心を全て持っていかれている。