この恋、賞味期限切れ




「告白の仕方なんて人それぞれなんじゃないかな?」



この気持ちに気づいたのは、つい最近のこと。

なのに告白って……早い?


でも、いつかは。

気持ちを伝えたい。


そうしないと、誰かに取られちゃいそうなんだもん。



「憧子ちゃんらしく告白すればいいと思うよ」



やっぱりバレちゃうか……。


もしもの話なんかじゃない。
これは私の話。


本当に告白のことで悩んでいることを、親友には初めから見抜かれていた。



「で? 誰にするの?」

「だ、誰にもしないよ! 私じゃなくて、もしもの話だってば!」



それでも私は、うそをつき続ける。

バレているとわかっていても、恥ずかしくて、勇気が出なくて、なかなか打ち明けられない。



晴ちゃん、ごめんね。

いつか、教えるから。

そのときまでもうちょっと待っててね。




「晴ちゃんこそ好きな人いないの?」

「あたし? ……あたしは、いないよ」



ゆるく首を振るまで、少しの間があった。


もしかしたら晴ちゃんにも、秘密にしていることがあるのかもしれない。

だとしたら、お互いさまだね。



「そういえば、今日だね、図書室掃除」

「そうなんだよ……。もう最悪!」



罰の掃除はめんどうくさい。

だけど、いやじゃないの。


ふたりきりの放課後。
独り占めできる時間。

胸が高鳴っては、都合のいいことを妄想してしまう。


最悪なんて、うそ。

本当は、その反対。



金曜日の放課後、最高!