「……ふはっ」
「う、宇月、くん……?」
「幸村さんって意外と熱血だよな。俺、そういうとこ、けっこう好き」
あーあ、舜ちゃんたら。
まーたたらしこんじゃって。
まったくもう。悪い男だよ。
晴ちゃんの言う「好き」も「きらい」も、そんな軽薄なものじゃないだろうに。
真意を知ってか知らずか、舜ちゃんは無防備な笑みをもらす。
ほーら、また。
晴ちゃんだけじゃなく、ゆかりまでもやられちゃってる。
なんて罪深い……。
言葉をなくしたゆかりは、「もう知らない!」とつっけんどんな様子でくるりと背を向けた。
「あ……」
と同時に、私と目が合う。
とがっていたゆかりの目が気まずそうに丸まっていく。
「憧子ちゃん、南くん!」
「ふたりとも、来てたのか……」
遅れて晴ちゃんと舜ちゃんも気がついた。
ゆかりが近づいてくる。
通り過ぎようとした寸前で、ゆかりの足が止まった。
「……傷つけすぎたのは…………わ、悪かったわ」
ポツリとそれだけつぶやくと、色褪せた金髪をなびかせて立ち去った。
「おい! 待てよ!」
「あんなおざなりに……!」
「舜ちゃん、晴ちゃん」
不満そうなふたりにストップをかけた。
首を横に振る私に、でも、とふたりは声をそろえる。
「私にはあれくらいでいいんだよ。私だって傷つける勢いで戦ってたもん」
戦いってそういうもん。



