この恋、賞味期限切れ







学校に到着したら、ちょうど始業式が終わったころだった。

タイミング悪く担任の先生に出くわし、



「南、退院できてよかったな。だが、それとこれとは別だ。遅刻するなら連絡しろ。報連相は大事だからな。
松井に関しては、ただの遅刻だ。言い訳は聞かん。始業式をサボるとは……いつの間に不良になったんだ」



ふつうに怒られた。

冗談半分、呆れ半分なお説教だった。
だけど、反省文とか掃除とか、特別なことは言われなかった。

黙って聞き流しながら、こっそり南と顔を見合わせて笑ったら、また怒られた。こら!って一言。先生もちょっと笑ってた。



教室のほうに移動すると、何やら廊下が騒がしい。



「おい、ゆかり!」



舜ちゃんの声だ。


……って、ん? ゆかり?

その名前に思わずしかめっ面になる。



「また幸村さんにつっかかってたろ。いい加減にしろよ」

「舜也ひっどぉい。ゆかりはただこの子に、ほんとーのこと教えてあげてただけ」

「悪口も言ってただろ。聞こえたぞ。俺、言ったよな? いじめんのやめろって」

「えぇ、やめてよぉ。いじめてなんかないよぉ」

「幸村さん、傷ついてるじゃねぇか。体育祭のことも、スイーツの件も、ちゃんと謝ってねぇみてぇだし……」



修羅場だ。
南の退院早々、修羅場が起こってる。


教室の前を占領する、見慣れた3人の姿。

取り囲む野次馬はおろおろとしている。


言い合いになっている舜ちゃんとゆかりに、晴ちゃんはというと。


……あれ?

晴ちゃんもおろおろしているのかと思ったら、どっしりと構えてゆかりを見据えている。