私の隣は、キミのもの。

私の“明日”には、ふたりの笑顔がある。


全てをかけて愛していく。




「俺と付き合ってください」

「はい……!」




涙と雨でびしょ濡れな顔を、ゆっくりと近づけていく。

唇の表面がやわく触れた。


すぐに離れ、また、くっつける。


まるでお互いの気持ちを確かめるように。

透明な雫をすくいとりながら、愛し方を探した。



両思いのキスは、ちょっとしょっぱかった。



あのね、私ね。

この恋の賞味期限は、切れていると思っていた。


……違ったね。

切れてなどいなかった。


私の恋の賞味期限は、切れても切れないし、腐りかけても何度だって新しく継ぎ足していく。

甘くなくても、苦さしかなくても、「好き」の純度は高まっていく。



「好き」

「ん、俺も。好きだよ」



キスの雨も降り終えた。

おでこをつけ、まつ毛でくすぐるみたいに微笑み合う。



ねぇ、南。

今日の想いを、また聞かせて?


明日の想いは、もっと幸せになる。