あたしが今すべきことがはっきりとし、覚悟を決める。
憧子ちゃんのところに、教室へ、今すぐに行かないと。
階段を上ろうとすると、階段を下りてくる担任の先生とばったり出くわした。
「あ、宇月。お前またピアス増やしただろ?」
「気づきました?」
先生が呆れて眉をひそめると、宇月くんはあははっと乾いた笑みで乗り切ろうとする。
……あ、そうだ!
先生ならわかるはずだ。
南くんの居場所が。
「……先生!!」
「ん? どうした幸村」
「お願いします! 教えてください!!」
勢いをつけすぎた唐突な頼みごとに、先生と宇月くんは目を点にする。
南くんが今どこにいるのか、あたしにはわからない。
聞き出さないと。
憧子ちゃんが……ふたりが、幸せになるために。
「……幸村?」
「先生! 南くんの居場所を教えてください!」
「……南の居場所、だと?」
個人情報だろうし、簡単には教えられないだろう。難しいことだとはわかっている。重々承知のうえで、あたしは頼み込み続けた。
非力で、守られっぱなしだったあたしが、今できること。やっと恩返しできることなの。
何だってする。
憧子ちゃんが笑顔になるのなら。



