この恋、賞味期限切れ




「まあ、そりゃあ……好きな奴と幸せになれれば一番いいけど……」

「けど?」

「――好きな奴が幸せだったら、俺はそれでいい」



どこかあきらめを匂わせるように口角を崩し、宇月くんは清々しいほどきっぱりと言い切った。


それが、彼の“答え”。
あたしの予想とは少しちがっていた。


でもきっと、一番切なくて、すてきな想い。

また好きだと、惚れ直してしまう。


うん。そっか。わかった。そうだね。

その願いを、届けるよ。


あたしの好きな人の、好きな人。

小さくなった背中を押して、幸せになる瞬間を、あたしも一緒に待っていたい。



重なり合った赤い糸を、解く鍵を、差し出そう。

“好きな人が幸せになること”――大切な親友が笑顔になるのなら、あたしは喜んで、知っている“全て”を教えるよ。


きっとまた誰かが傷つくだろう。

きっとまた誰かが涙を流すだろう。


それでもあたしは、一歩踏み出そう。



ほどいて、つないで、ひとつになった糸でリボンをつくって。

泣いた分だけ、どうか、笑ってね。



「宇月くん、ありがとう」

「え?」

「おかげで決心がついたよ」



やっぱり宇月くんは優しいね。

好きになってよかった。


今、もっと好きになったよ。