昼食を食べ終え、お菓子を食べながら雑談をする。気分はアフタヌーンティー。ティーはないけど。

先ほどまで隣でブラウニーをもらえてほくほくしていた男子たちは、早々に昼食をとり、どこかへ遊びに行ってしまった。



「ブラウニーおいしい〜〜!」



ブラウニーをひと口食べ、そのおいしさに感激する。

さくっ、ほろっ、うまあ。
ほどよい甘さがたまらん。晴ちゃんさすがです。いくらでも食べられる。いいや、食べさせてください!


晴ちゃんは「よかったぁ」とほっとする。



「あ、そうだ。プレミアムスイーツも食べようかな!」

「さっき宇月くんからもらってたやつ?」

「そう! あいつ意外と優しいんだよ? チャラいけど。チャラいけどね」

「二回も言わなくても……」



この学年で、宇月舜也の名前を知らない人はいない。


それもそうだろう。

舜ちゃんが廊下を歩くたびに女子からの黄色い歓声を浴び、放課後は制服をちゃらんぽらんに着崩した男女と悪目立ちしているから、有名になるのは当然だ。



「……知ってるよ、優しいこと」

「晴ちゃん?」

「へ? あ、なんでもないっ」



晴ちゃん、なんて言ったんだろう。

もう一度聞き返しても、わかりやすくごまかされた。


なぜか戸惑っている晴ちゃんを不思議に思いながら、私はプレミアムスイーツを豪快に口に入れた。



「ん、んまあ〜〜〜い!!」