私の前の席を借りて、私の席とくっつける。お弁当を広げれば準備オッケー。
いただきます、と手を合わせ、晴ちゃんと一緒にお昼を食べ始めた。
隣の席では、クラスの男子とにぎわいながら、南が購買で人気のトマトリゾットを食べている。
……って、食べているものを明確に判明させるくらいには、私、南のほうをちらちら見ちゃってたのかな!? 自覚なかった! 恥ず!
「南くん、はいこれ」
「ん? あっ、ブラウニー!?」
「うん。ひとつどうぞ」
私が内心てんてこ舞いな間に、晴ちゃんが約束通り、ブラウニーの入った袋を差し出した。
ほほえむ晴ちゃんは天使のようで、女の私までキュンとする。
「おー! ありがとな」
南はお礼を言いながら、袋からひとつブラウニーをつまみとった。
それをうらやましそうに凝視する男子ども。
「結人ばっかずりぃぞ! 幸村、俺もいい?」
南とランチしていた男子たちが、続々と聞いてくる。
これはブラウニー目当てというより……。
晴ちゃんだろ。
この大天使様にお近づきになりたいんだろ。
鼻の下が伸びきっている。デレデレしすぎ。本音がだだ漏れてすぎて、隠す気すらなさそう。
晴ちゃんはとってもとってもかわいいから気持ちはよーくわかる。が、ちょっと引く。
そんな男子どもとはちがって、甘党な南は心の底からブラウニー推し。
ひと口サイズのブラウニーを幸せそうに頬張っている。
「ど、どうぞ……」
「俺も!」
「欲しい!」
「食べたいっす!」
次から次へと男子のリクエストが殺到する。
晴ちゃんは半ば困惑しながらと、快くブラウニー入りの袋を差し出した。
「憧子ちゃん、お弁当食べ終わったら残りのブラウニー、一緒に食べようね」
「うんっ」
優しさの塊。
こりゃ惚れる。



