「芋女が。えらそうにしないで」
「それはこっちのセリフだい!」
「……それに、今日はこの間みたいに脅せないわよ?」
「は? どういう意味?」
「この競技は騎馬戦よ? 倒れてケガしても、ゆかりのせいじゃないわ」
こ、こいつ~~!!
ムカつく! 無性に腹が立つ!!
ゆかりは絶対に負けないもん!っていう自意識過剰なオーラと、人を見下す態度。
気に食わない!
たぶん私たちって、水と油くらい相性が悪いんだね。
オンナの卑劣な争いを、グラウンドの真ん中で堂々と勃発させようじゃないか!
「ええ、ええ、そうですね。あんたが倒れても、私のせいじゃないね。あー、よかったー」
「ふんっ。ゆかりはそうヤワじゃないわ。土まみれになんてならない!」
「やってみないとわからないよ。案外あんたには、土もよく似合うんじゃない?」
ああ言えばこう言う。
応酬が激化していく。
「生意気なのよあんた!!」
挑発にキレたゆかりが、青色の帽子ではなく、私自身を襲ってきた。
振り上げられた腕を、私はとっさに受け止める。
「放しなさいよ!!」
「い! や!」
手を放したら、ゆかりは絶対にまた傷つけに来る。
痛い思いをするのはいやだ。だから放してやんない。
私は戦いを選ぶ!
「放しなさいってば!」
「っ、いやって! 言ってる! でしょおお!!」
ゆかりは勢いよく私の手を振り払い、私の肩をぐっと強く掴んできた。
長い爪が食い込んで、微弱な痛みが走る。



