あたしよりも強いと思っていたけれど、憧子ちゃんだって怖かったんだ。
あたしと同じだったんだよね。
あたしのことを信じてくれていたから、心を強くしていられた。
それなのにあたし……ひどいことをしてしまった。
ちっぽけな勇気もひび割れて、現実からの逃げ道を探していた。
へたくそな言い訳ばかり並べて、正当化し続けた。
弱さも強さも、みんな、持っているはずなのにね。
ごめんね、憧子ちゃん。
……ありがとう。
あたしと憧子ちゃんはプレミアムスイーツ片手に、教室ではなく屋上へ行った。
初めて来た屋上で、深呼吸をする。
そこから見える景色は、青く、まばゆく、新鮮な光に満ちていた。
屋上の隅っこで、あたしと憧子ちゃんは隣り合わせに座る。
いただきます、と声をそろえ、プレミアムスイーツをほおばった。
「ねぇ、憧子ちゃん……。あのね……」
「……金曜日のこと、だよね?」
不思議と緊張はしなかった。
甘い口の中を湿らすように黙って頷くと、憧子ちゃんははっきりと告げた。
「私、舜ちゃんとはキスしてないよ」



