この恋、賞味期限切れ



また視界がぼやけてきた。

世界もこうして霞んで、ふらついて、消えてしまえば悩まなくて済んだのに。


涙は枯れるほど出たけれど、それでもまだ飽き足らずあふれかえる。


憧子ちゃんに会いたくない。


そう思ってしまうくらい、今のあたしはひどかった。自分でもわかる。

こんな自分がいるなんて、知りたくなかったよ……。



「初恋、だったのにな……」



人を好きになった。

恋に落ちた衝撃を感じた。

甘い瞬間を知った。

好きという感情に泣きたくなった。


全部、全部、初めてのこと。

宇月くんと出会えたおかげ。



だからね、最初から、気づいてたんだよ。

この恋が叶うことはない、と。


甘いより、酸いより、苦いほうが勝っていると勘づいたとき、失恋するとわかってしまったからこそ……憧子ちゃんに打ち明けた。


最低だよね。あたしもそう思う。

あたしの気持ちを教えて、憧子ちゃんと宇月くんが付き合えないようにしたの。


憧子ちゃんは優しいから。

親友の好きな人とは絶対に恋をしないと思ったから。


本当に、何やってるんだろう、あたし。


憧子ちゃんの優しさに甘えていた。

憧子ちゃんはこんなにも醜いあたしに、南くんのことが好きだと正直に教えてくれた。


裏切ったのは……あたしのほう。



どうしたらいいんだろう。


ねぇ、誰か……教えてよ。

何をすべきか、教えてよ。


冷たいだけの涙は、もう、流したくないよ。