もしかしたら……。
舜ちゃんと付き合ったら、南への想いを忘れることができるかもしれない。
そうしていつか、舜ちゃんのことを心から好きになるかもしれない。
……かも、ね。
だけど。
どうしてかな。
頷くことが、できない。
だってね。
舜ちゃんは、晴ちゃんの好きな人で。
私は南のことを忘れられないまま、ちがう誰かと付き合うなんて器用な真似はできないし、したくない。
むりなんだよ。
どうしようもなく、南が好きなの。
この気持ちを抱えている限り、舜ちゃんの恋人になるなんてできない。
大事な幼なじみを、傷つけたくない。
失恋する痛みは、私が一番わかってる。
だからこそ、言わせて。
「……好きになってくれて、ありがとう。でも、ごめんなさい」
舜ちゃん、ごめんね。
好きになってくれて、本当の本当に嬉しかった。
その真っ直ぐな気持ちを、初恋をあきらめさせるために利用したくないよ。
「憧子……」
苦しそうに私を見つめる舜ちゃん。
目を逸らしはしない。
フラれると苦しいよね。
今、舜ちゃんを苦しくさせているのは、私だね。ごめんね。
だけど、苦しくさせてでも、謝らなければいけなかった。
私は舜ちゃんとは付き合えない。
きっと、これからも。
「なんで……っ」
舜ちゃんとだったらいい恋ができると思う。チャラいけど優しいもん。女の子にモテるのもなっとくする。付き合ったら特別扱いして、女の子に生まれてよかったって何度も思わせてくれるんだろうね。
それでも、答えは変わらない。変えないよ。
親友を裏切りたくないし、それに……私はまだ、南のことが好きだから。



