この恋、賞味期限切れ



……ぁ、私。

最低だ。


私の好きな人には「わかってよ」と甘えて、私を好きになってくれた人には「わかりたくない」と駄々をこねてる。


どれだけ、私、自分勝手なの。



「だから、変わったんだ。このままじゃダメだって思って、変わったんだ」



それが、理由だった。

ずっと気になっていた、知りたかった。

今の舜ちゃんの、本心を。


私のために……私のことが好きだから、変わったの?



「なあ、憧子。俺じゃダメか?」



力んでいた舜ちゃんの腕が、不意に弱まり、ゆるんだ。

おそるおそる顔を上げると、舜ちゃんの頬はほんのりと赤く染まっていた。


その表情を見て、あぁ、本当なんだって、自然に思えた。


嘘でも冗談でも、ましてや罰ゲームでもなくて。

本気だった。


がんばって想いを伝えてくれたんだ。


私のことが好きだって。



「幼なじみとしてじゃなく、ひとりの男として……お前のことが、好きなんだ」



どうして恋をすると、傷つくんだろう。傷つけてしまうんだろう。

恋をしても、100パーセント、両思いになれるわけじゃない。想いが重なることは奇跡だ。


甘い気持ちより、苦しいことのほうが倍あるし、好きな人を好きでい続けるのもあきらめるのも、どっちを選んでも心は死んでしまう。

さながら賞味期限切れのケーキのように。

べちゃりとつぶれた恋心を、おいしく食べることなんてできないから、みんな棄てていく。


そうとわかっていても、どうして、恋をしてしまうんだろう。

恋、し続けてしまうの。



「……っ、ごめん、なさい。私は……」

「わかってる。フラれても好きなやつのことを想ってるってことくらい、わかってるよ」

「それなら……、」

「だけど俺は、お前と付き合いたい。いつか俺を好きにさせてみせる。だから……!」