「俺は、ずっと、憧子のそばにいたい」
……え?
それって……?
ねぇ、待って。
まさか。
いや。
そんな。
もしかして。
いやな予感がする。ここから先は聞いてはいけない。本能が、そう警告している。
だから……。
「憧子が泣いているとき、またこうやって抱きしめたい」
いつもはチャラくて、軽くて、曖昧で。
本音か冗談か、はっきりさせないようなことばかり言う。
……なのに、今は、舜ちゃんの声がやけにクリアに鼓膜を揺らす。
「お前、聞いたよな? 好きな人はいるのかって」
胸の中が、ざわざわする。
やめて。
それ以上、言わないで。
「……お前だよ」
「え?」
「俺の好きなやつは、憧子……お前なんだ。ずっと前から、好きだった」
警告音が途絶えた。刹那、脳内が理解処理を拒み、真っ白になる。
嘘。
……じゃなくて?
冗談でもなくて?
ほんと、なの……?
今まで、ちっとも気づかなかった。
舜ちゃんの想いに、気づきたくなかった。



