雨過天晴――物ごとがよい方向へ向かうこと。
この状況とは真逆だ。とほほ。
「お前が立って叫ばなければ……」
「言い出したのは南でしょ!?」
「松井があんな大声出さなきゃ、気づかれなかっただろ!?」
先生には届かないように、小声で責任をなすりつけ合う。
むーっといがみ合った数秒後。
「「……プッ」」
ほとんど同時に噴き出していた。
「ガキだな、俺ら」
「ほんとにね」
始まりから終わりまでずっとしょうもない。今年で十七歳とは思えないくらい精神年齢の低い会話を続けてる。
バカバカしすぎて、罰なんかどうでもよくなってきた。
「今更何言ってもしょうがねぇし、掃除頑張るか」
「そうだね」
金曜日か……。
今日が月曜日だから、四日後に図書室の掃除。
罰って言われるとやる気は失せるけど、たぶん大丈夫。南と一緒なら、なんだって楽しくなる。
無味無糖な一分一秒も、特別になっちゃうの。
「サボんなよ?」
「そっちこそ」
ねぇ、南。
南は今どんな気持ち?
南も特別って思ってたりする……?



