この恋、賞味期限切れ




「南……っ」



目頭がつんと熱くなる。一秒も経たずに、ポロポロとこらえていた涙があふれ出した。


あんな言い方するつもりじゃなかった。

優しくしないで、って、言うつもりじゃなかったの。


本当は嬉しかった。


胸が跳ねて、ドキドキして。

甘い鼓動に酔いしれて、焦がれてく。


南の優しさに触れるたび、心地よかった。それが本音だった。


惑わされてもよかった。私だけが苦しくなるのなら、それでもかまわなかった。


またふたりでアイスを食べに行けるんだって、南はあったかい人だなって、そう思っていたのに。

どうして……こんな気持ちにならなくちゃいけないの?



ごめんね。わがままで、ごめん。



さっきまで広がっていた甘さは、毒だった。まやかしも同然だった。

今はどこもかしこも、にがくて、くるしい。


賞味期限が切れると甘いお菓子も、しなって、腐って、口にするだけでマヒしていく。



「どうしよう……っ、」



絶え間なくこぼれ落ちる涙は、告白してフラれたときのように冷たかった。

頬を伝い、冷えた温度が胸の裏側にまでしみていく。


さっきから胸が痛い。

どうしようもなく、つらくて、痛いよ。

息がうまくできないくらい。



ねぇ。


本当はもっと一緒にいたかった。

本当はもっと笑っていたかった。


……ねぇ。

南。


私、どんな顔してた?